令和3年度 福岡県済生会八幡総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 11 21 44 71 161 280 633 1284 1485 609
※年齢を10歳刻みで患者数を掲載しています。
※入院日の年齢です。
※90歳以上は年齢階級が1つとなっています。

北九州市は高齢化率(人口に対する65歳以上の高齢者の割合)が31.3%(北九州市令和4年3月31日時点)で、1年で0.3%上昇しています。
北九州市のなかでも当院所在地八幡東区の高齢化率は36.3%で、全国平均29.0%(総務省統計局令和4年3月1日現在)を大きく上回っています。
このような地域環境のなか、令和3年度の退院患者は4,599名で、入院患者に対する65歳以上の高齢者割合は83.0%と極めて高く、1年で0.8%上昇しています。また、75歳以上の後期高齢者が58.5%を占めています。
年齢階級別では80歳代が32.3%と一番多く、70歳代が27.9%、60歳代13.8%、90歳超13.2%となっています。
当院は新型コロナウイルス感染症重点医療機関として、新型コロナウイル感染症患者さんの受け入れのための病床を確保していた関係等で、入院患者数が減少しましたが、救急搬送受入件数および救急搬送入院患者数は増加しています。
高い高齢化率、救急搬送受入件数の増加は、地域の医療機関、介護施設、在宅医からの紹介や救急搬送を断らずに受け入れる体制を整えており、高齢者救急医療に力をいれていることが、反映していると考えます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
腎センター
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-動脈形成術、吻合術 その他の動脈等-処置2:なし-副病:なし 18 14.67 7.87 0.00% 68.22
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 16 18.63 10.39 18.75% 70.56
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:1あり 10 24.7 13.74 10.0% 63
100230xx01xxxx 続発性副甲状腺機能亢進症 - 15.22 7.59 0.00% 63.3
110280xx02x1xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎 - 49.25 34.08 37.0% 63.75
※各診療科別に患者数の多いDPC14桁分類について、DPCコード、名称、患者数、自院と全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を掲載 しています。
※各診療科上位5位までで、患者数が10件未満のものはハイフン(ー)で表示しています。
※【診断群分類とは】診断群分類(DPC:Diagnosis Procedure Combination)とは、ICD国際疾病分類(傷病および死因の国際比較のために世界保健機構WHO)が制定している分類)で、病名をマンパワー、手術、医薬品、医療材料などの医療資源の必要度から、統計学的に意味のある病名グループに整理し、分類したものです。

当院の腎センターは、慢性腎不全の治療における選択肢として、九州で最初に開始した血液透析、西日本の一般病院として最初に成功した生体腎移植、比較的新しい透析方法である腹膜透析、そして、血液ろ過透析(HDF)や在宅血液透析という多くの腎代替療法が、患者さんの年齢、病態や生活パターンに合わせて最適の治療方法を選べる体制となっています。
慢性糸球体腎炎に対しては、腎生検による診断からIgA腎症に対しては、扁摘+ステロイドパルスによる根治療法、そして免疫抑制剤や血漿交換 による治療迄行っています。
透析患者さんにおける合併症に対しては、バスキュラーアクセストラブルに対する自家静脈・人工血管を用いたシャント再建、経皮的血管形成術(PTA)、内シャント瘤切除・再建などを血管外科および放射線科との協力体制で行っています。
令和2年度から、新型コロナウイルス感染症重点医療機関として、新型コロナウイルス感染症で透析が必要な患者さんを受け入れています。
令和3度の透析導入症例数は26例です。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900xx 心不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし 19 23.05 17.35 21.05% 80.68
050070xx9900xx 頻脈性不整脈-手術なし-処置1:なし-処置2:なし - - 6.85 - -
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-手術なし-処置1:1あり-処置2:なし - - 17.86 - -
050190xx99x00x 徐脈性不整脈-手術なし - - 13.51 - -
050210xx97000ⅹ 徐脈性不整脈:ペースメーカー移植術等あり - - 10.24 - -
当院の循環器科は循環器疾患全般を対象に、診断・治療・予防に取り組んでいます。
心不全が当科入院患者の半数近くを占めています。急性期は積極的にNIPPV(ASV療法)や薬物治療を行いますが、高齢者が多く、 通常の心不全の治療に加えて、廃用予防、自宅退院に向けての理学療法士による早期からの運動療法の介入を積極的に行っています。
また、適応があれば、経皮的冠動脈形成術を施行しています。
入院患者さんは、地域の高齢化を反映して、平均年齢は80歳を超えています。
高齢者の患者さんが増える中、老健施設等に入所中の方が、心不全、誤嚥性肺炎などで緊急搬送されるケースが増えています。
医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語療法士・管理栄養士・ソーシャルワーカー等の多職種によるカンファレンスを行い、生活の質の向上、早期退院、再入院予防のため、包括的に患者さんにアプローチを行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)-内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 88 3.39 2.65 0.00% 71.24
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍-手術なし-処置2:6あり 49 3.98 4.54 0.00% 71.14
060040xx99x6xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍-手術なし-処置2:6あり 34 5.82 4.4 0.00% 68.91
060160x001xxxx 鼠経ヘルニア-ヘルニア手術 33 8.3 4.74 0.00% 70.42
060340xx03ⅹ00x 胆管(管内外)結石、胆管炎 29 11.06 9.21 0.03% 84.41
当院の外科は消化器外科を中心に、一般外科診療を行っています。
疾患別では結腸の悪性腫瘍、大腸の良性腫瘍(大腸ポリープ)、胆石症、胃の悪性腫瘍、膵臓の悪性腫瘍、直腸の悪性腫瘍となっています。
食道、胃、大腸など消化管の手術では積極的に腹腔鏡下手術を導入して、より低侵襲な治療をめざしています。
消化器がんの治療では、手術に最新の臨床知見に基づいた抗癌剤治療を行う集学的な治療を行っています。
肝・胆・膵領域でも、腹腔鏡下の手術を取り入れながら積極的に手術を行っています。
救急搬送の増加と高齢化率を反映し、高齢者の緊急手術が多くなっており、麻酔科と緊密な連携をとっています。
早期離床、社会復帰にむけて、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、社会福祉士等が連携をとり、チーム医療を推進してサポート体制を充実させています。
高齢者の周術期におけるリハビリテーションにより、歩いて帰ることができることに取り組んでいます。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)-手術なし 88 39.89 19.34 15.91% 81.47
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折-人工骨頭挿入術 肩、股等 86 43.42 25.32 45.35% 85.12
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷-靱帯断裂形成手術等 43 47.98 16.66 4.65% 67.56
160980xx99x0xx 骨盤損傷-手術なし-処置2:なし 21 40.81 19.02 28.57% 83.90
070050xx97xxxx 肩関節炎、肩の障害(その他)-手術あり 15 49.80 20.72 6.67% 77.13
当院は、特に肩関節の腱板損傷や肩関節脱臼、スポーツ障害肩を専門としており、的確な診断、治療方針の決定、症状に応じた最小侵襲手術である肩関節鏡下手術や、人工肩関節置換術、腱移行術などの直視下手術も積極的に行っています。
令和3年度の肩関節の手術は124例で、その内訳は肩関節鏡手術83例、人工肩関節置換術21例、肩関節骨折骨接合術20例となっています。
肩疾患は中高年では加齢変性を基盤とした腱板断裂、凍結肩、変形性肩関節症などが代表であり、青壮年では肩関節脱臼、不安定症、関節唇損傷やスポーツ外傷、傷害を原因とるするものが多くなっています。
また、地域の高齢化を反映して、股関節の骨折症例が近年急激に増加傾向にあり、麻酔科および他科の協力のもと早期手術を行っています。
高齢者が多いので、早期リハビリテーションの取り組みとともに、地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟への転科による継続治療、および、 クリニカルパス等を使用した地域の医療機関との連携による継続治療等により、患者のQOL(生活の質)をあげることに心がけています。
骨粗鬆症を伴う胸椎・腰椎の圧迫骨折の救急搬送患者も多く、平均年齢は80歳を超えており、在院日数が長くなっています、
当院は「骨粗鬆症検診精密検査実施登録医療機関」に指定されており、骨粗鬆症外来を行っています。
また、骨粗鬆症研究会を主宰し、リエゾンサービスを含め、早期発見、早期治療、早期社会復帰を目指して努力しています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:なし-発症前Rankin Scale 0、1又は2 145 20.73 15.63 18.62% 73.59
010200xx01x00x 水頭症-水頭症手術 脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)等-処置2:なし-副病:なし 78 18.96 20.18 8.97% 80.29
010230xx99x00x てんかん-手術なし-処置2:なし-副病:なし 63 14.83 7.22 14.29% 71.17
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷-その他の手術あり-処置2:なし-副病:なし 50 15.68 9.78 22.00% 80.88
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:2あり-副病:なし-発症前Rankin Scale 0、1又は2 43 17.28 15.57 20.93% 74.81
当院の脳神経外科は、北九州市の脳神経外科の中核病院として脳神経外科全般を取り扱っていますが、山口、大分、佐賀、熊本の隣県はもちろん時には、長崎、鹿児島、宮崎、広島からも患者さんが集まっています。1次、2次を問わず24時間体制で救急患者を受け入れ、即座にCT、MRI、MRA、3DCTA(CTを使った3次元血管造影)等の検査を行い、病院への搬入から1時間以内に開頭手術ができる体制を整えています。
主な対象疾患は、閉塞性脳血管障害(脳梗塞等)、脳内出血、脳腫瘍、脳動脈瘤、てんかん、顔面痙攣や三叉神経痛、頸椎椎間板ヘルニアなどです。
DPCコードでは、脳梗塞は発症時期、JCS(意識障害のレベル)、発症前Rankin Scale(重症度指標)などで細分化されており脳梗塞全体では427例でした。
令和3年度の脳神経外科の退院患者数は1,107人で、そのうち、脳血管疾患が726人、神経系232人、外傷系111人、新生物56人等でした。
当科では、リハビリテーション科と協働で、できるだけ早期にできるだけよい状態で退院していただけるように、早期からリハビリテーションに 取り組んでいます。
「患者さんのために」をモットーに毎日回診を行い、早期診断、早期かつ積極的な治療に努める一方、近隣のリハビリテーション専門病院とも密に連携をとって治療に当たっています。
血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患-下肢静脈瘤手術等 74 2.00 2.75 0.00% 64.78
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患-動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:なし 69 5.51 5.32 14.49% 76.20
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤-ステントグラフト内挿術-処置2:なし 21 7.76 11.06 4.76% 81.67
050170xx02000x 閉塞性動脈疾患-動脈形成術、吻合術 指(手、足)の動脈等-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:なし 20 20.60 15.85 10.00% 75.30
050170xx99000x 閉塞性動脈疾患-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし 16 4.88 7.98 6.25% 79.25
当院の血管外科は、腹部、四肢の動静脈疾患に対する治療を行っております。
閉塞性動脈疾患は手術術式等によりDPCコードが細分類されていますが、全体では168件です。
閉塞性動脈疾患のなかで多いのが閉塞性動脈硬化症です。動脈硬化が原因で、脚の動脈が狭くなったり詰まったりした結果、虚血症状を来たす病気です。
治療には、血管内治療やバイパス手術などの血行再建術があります。
動脈瘤とは、”動脈にできたこぶ”です。全身あらゆる動脈にできますが、腹部大動脈瘤にできる頻度が最も高くなっています。
動脈瘤は自然に退縮することはなく、根治治療は手術です。
いわゆる脚の静脈が”こぶ”になった下肢静脈瘤は74件です。
下肢静脈瘤の治療は、硬化療法、伏在静脈抜去術(ストリッピング術)、伏在静脈焼均術(レーザー治療)、伏在静脈塞栓術(グルー治療)、弾性ストッキングの着用による症状の軽減などがあります。
血管外科領域における地域の砦となり、多様な血管外科の患者さんの治療を行っていますので、重症の合併症を抱えている患者さんが多く、 地域の医療機関と連携して治療を行っています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患-手術あり-片眼 84 2.35 2.71 2.38% 74.94
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患-手術あり-両眼 - - 4.83 - -
当院の眼科は、眼科全般にわたって診療を行っており、地域の医療機関からの紹介されて受診される患者さんが多くを占めています。
総合病院の特色を活かした他科と連携した診断・治療に取り組んでいます。
令和3年度の白内障は全体で109件入院治療を行っています。高齢者が多くなっています。
午前は通常外来を毎日月曜日~金曜日で行っています。火曜日、水曜日、木曜日、金曜日の午後は、術前検査、レーザー治療、小手術(霰粒腫切開など)、ステロイド眼球注射等の処置や、視野検査、眼球運動検査、蛍光眼底造営検査等の特殊検査を予約制で行っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 11 11.27 9.22 0.00% 74.00
080010xxxx0xxx 膿皮症-処置1:なし - - 13.07 - -
080140xxxxx0xx 炎症性角化症-処置2:なし - - 13.52 - -
100100xx99x0xx 糖尿病足病変-手術なし-処置2:なし - - 21.8 - -
080050xxxxxxxx 湿疹、皮膚炎群 - - 10.28 - -
当院の皮膚科は、帯状疱疹、皮脂欠乏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、じんま疹、皮膚そう痒症、乾癬、薬疹、白癬、皮膚潰瘍、褥瘡など一般的な皮膚疾患の治療を行っています。
また、全身照射型のナローバンドUVB,局所照射型のエキシマライトの装置を備えており、乾癬やアトピー性皮膚炎、尋常性白斑、掌蹠膿胞症などの適応患者さんに照射しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍-膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術-処置2:なし 41 6.82 7.02 2.27% 75.34
11012xxx020x0x 上部尿路疾患-経尿道的尿路結石除去術-処置1:なし-副病:なし 41 6.46 5.56 0.00% 65.83
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり 33 2.73 2.5 0.00% 73.00
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等-経尿道的前立腺手術等 28 9.04 8.23 3.57% 74.68
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症-手術なし 24 16.58 13.14 16.67% 81.50
当院の泌尿器科は、泌尿器科領域のほぼ全ての疾患の診断と治療を行っています。
令和3年度の退院患者数は350人で、そのうち前立腺の悪性腫瘍64件、膀胱の悪性腫瘍61件、尿管の悪性腫瘍19件、腎盂の悪性腫瘍12件、精巣の悪性腫瘍6件、腎の悪性腫瘍4件等、悪性腫瘍(悪性新生物)いわゆる「がん」が年々増加しています。
泌尿器科領域のがんでは、手術のみならず、抗癌剤による治療も積極的に行っています。
腎結石及び尿管結石は全体で67件です。また、前立腺肥大症、急性尿細管間質性腎炎、急性腎不全、高齢者の尿路感染症なども多く治療しています。
緩和ケア病棟、地域包括ケア病棟を有しており、患者さんにとっての最適な療養環境の提供を心がけています。
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症-手術なし 97 20.25 13.14 10.4% 83.9
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎-手術なし 63 22.03 20.57 20.6% 86.68
0400800499x01x 肺炎等(市中肺炎以外かつ75歳以上-副病あり 49 23.73 21.39 0.20% 89.9
0400800499x00x 肺炎等(市中肺炎以外かつ75歳以上-副病なし 47 25.29 18.63 17.02% 87.78
100330xxxxx0xx 栄養障害(その他)-処置なし 37 36.24 17.41 40.50% 83.40
当院の総合診療科は、高齢化社会への対応のため、窓口としての役割、さらに循環器科・呼吸器内科・膠原病内科・糖尿病内科・神経内科・肝臓内科などの専門科と連携し、高齢者に対して充実した全人的医療を提供しています。
症状のわからない患者さんに対しては、臓器の枠にとらわれない幅広い知識を活かして最適な医療の実施をめざしています。
今年度はVREや新型コロナウイルス感染症といった感染症対策に力を入れて診療を行いました。
地域の高齢化率を反映し、平均年齢が高く、再入院を繰り返さないように嚥下訓練などを行う為、全国平均在院日数より長くなっています。
総合診療科の入院患者は、肺炎、誤嚥性肺炎、尿路感染症、脱水症、新型コロナウイルス感染症などが多くなっています。
DPCコードは細かく分類されており、全体で肺炎が249件、誤嚥性肺炎が75件となっています、
急性期の治療が落ちついた段階で、地域包括ケア病棟へ転棟し、自宅や施設への退院に向けて、嚥下訓練を含むリハビリテーションを行っています。
高齢者に限らず、すべての患者さんに対して切れ目なく繋がった診療と看護、およびリハビリテーションを提供できるシステムを構築し、ADL(日常生活活動)を低下させないチーム医療に取り組んでいます。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 11 - 0 12 14 13 1 8
大腸癌 - 11 29 31 - 80 2 9
乳癌 0 0 0 0 - - 1 8
肺癌 0 0 0 0 - - 1 8
肝癌 0 0 0 0 10 23 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※ 5大癌について初発患者はUICC(国際対がん連合)のTNM(がんの病期の評価・分類)から示される病期分類による患者数を掲載しています。
※一連の治療期間に入退院を繰り返すなどを行った場合は、同一患者に入退院を繰り返した回数分をかけた延患者数を掲載しています。
※患者数が10未満のものは(ー)ハイフンで掲載しています。

当院は、5大癌(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)に対する手術・化学療法の集学的治療を積極的に行っているほか、食道癌、膵臓癌、胆嚢癌、胆管癌、前立腺癌、膀胱癌、腎癌、腎盂癌、精巣癌、脳腫瘍、甲状腺癌なども集学的治療を行っています。
5大癌のなかで当院は大腸癌が一番多く、初発癌が83件で、進行癌(StageⅡ以上)が71件86%と高くなっています。
次に胃癌、肝癌、肺癌、乳癌の順の患者数となっています。
癌全体では、大腸癌、前立腺癌、膀胱癌、胃癌、膵臓癌、肝臓癌、食道癌、尿管癌、腎盂癌、脳腫瘍などの順になっています。
当院は緩和ケア病棟を有し、緩和ケアチームと診療科が連携をとり、疼痛管理を始めとした終末期の治療についても幅広くカバーし、ステージⅢやⅣといった進行症例や再発症例も一人ひとりに適切な治療法を選択して、患者のQOL(生活の質)をあげ、最後まで心地よく過ごしていただくことを目指しています。
地域の薬剤師さんと連携を図り、外来で化学療法を受けられる患者さんにとって安心した療養が行えるように体制を整えています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - 20.00 54.50
中等症 33 21.00 83.61
重症 - 10.50 90.00
超重症 - - -
不明 - - -
※市中肺炎とは:通常の社会生活を送っている中で発症した肺炎です。

成人市中肺炎は病院外で日常生活をしていた人が発症する肺炎のことですが、介護施設等に入所している人が発症する肺炎は、「医療・介護関連肺炎」と言われています。肺炎で入院された患者さんは254名ですが、当院は高齢化を反映して、介護施設等からの紹介入院が多く、集計から「医療・介護関連肺炎」は除いています。
成人市中肺炎の重症度別患者数とは、入院のきっかけになった傷病名および最も医療資源を投入した傷病名が、肺炎レンサ球菌による肺炎、インフルエンザ菌による肺炎、細菌性肺炎、気管支肺炎などで、普段の生活の中で発症して入院した患者さんについて、重症度別に分類しています。
「軽症」は平均年齢が54歳と若く、平均在院日数も短くなっていますが、重症度があがるにつれ、平均年齢が高くなっています。
「中等症」が全体の89%を占め、平均在院日数21日、平均年齢83.6歳です。
当院は入院患者に対する75歳以上の後期高齢者が58.5%を占めており、認知症を併存している患者さんも多くいらしゃいますが,急性期一般病棟と地域包括ケア病棟を活用して患者さんにとって、最適な療養環境の提供に心がけています。
地域の医療機関、介護施設、在宅医と連携して、紹介や救急搬送を断らずに受け入れる体制を整えて、高齢者救急医療に力を入れています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 395 23.05 76.90 21.75%
その他 51 27.41 76.82 2.24%
※脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を掲載しています。
※転院率は退院先が「他の病院・診療所への転院」とし、転院患者数/全退院数です。

令和3年度の脳梗塞退院患者数は427件でした。
脳梗塞はできるだけ早く適切な治療を開始することが重要であり、放射線科と連携して当院は365日24時間対応できる体制を整えています。
CT、MRI、MRA、3DCTA(CTを使った3次元血管造影)等の検査を行い、早期に適確な診断から治療に繋げています。
3日以内に発症した急性期の脳梗塞が395件で88.5%を占めており、緊急に治療を開始しています。
3日以内の発症の患者さんの平均年齢は76.9歳、平均在院日数23.1日、転院率21.8%です。
当院は、急性期一般病棟、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟を有しており、治療経過に沿って、患者さんにとって最適な療養環境を提供できる体制を整えています。
早期にできるだけよい状態で退院していただけるように、早期からリハビリテーションに取り組んでいます。
また、脳卒中地域連携クリニカルパス(治療計画書)を利用した継続治療を、地域の専門病院と密な連携をとって行っています。
院内の多職種との連携、および、地域の医療機関と連携して、患者さんに最適な治療、療養環境の提供、社会復帰・家庭復帰に向けた支援を心がけています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
腎センター
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 34 7.97 22.13 12.90% 65.29
K4642 副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術(副甲状腺全摘、一部筋肉移植) 12 - - - -
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 11 - - - -
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) - - - - -
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 - - - - -
※上位5位までで、患者数が10未満のものは(ー)はハイフンで掲載しています。
※入院中に複数の手術を行った場合は、主たる手術をカウントしています。
※Kコードとは:診療報酬点数の手術コードです。

当院腎センターでは、1970年より内シャント作製を開始し、自家静脈およびグラフト内シャント造設および再建術などのバスキュラーアクセス手術、およびPTA(経皮的血管拡張術)を施行しています。
令和3年度の手術症例数は血液透析関連75例、腹膜透析関連7例、副甲状腺摘出術13例などで、シャントPTAは87例と増加しています。
経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回)は全体で53例でその内9例を入院で行っています。
二次性および原発性副甲状腺機能亢進症に対する外科手術(副甲状腺摘出術)については13症例を施行し、すでに510例を超える多くの経験があり、透析患者さんの場合には、手術によって透析患者さんの骨関節痛や皮膚掻痒感、四肢の筋力の改善など顕著なQOL(生活の質)の回復を得ています。
副甲状腺摘出術を受けられる患者さんは、平均透析歴14年くらいで、平均年齢60歳台と比較的に若いのですが、手術後には透析導入患者さんと比較しても遜色のない10年生存率が得られています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 93 0.80 3.56 1.08% 71.99
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 51 2.90 15.39 15.69% 85.31
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 35 2.46 7.91 2.86% 68.14
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 23 1.44 5.57 0.00% 68.26
K619-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 14 11.57 31.21 0.00% 75.28
令和3年度は全体で252件の手術を行っています。特に、高齢者に対する手術症例が増加しています。
令和3年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、手術症例数が減少する月があり、総数としては、例年より減少しています。
消化器外科を中心に、積極的に鏡視下手術(腹腔鏡、胸腔鏡を使用した手術)を導入して、より低侵襲な手術を行っています。
症例数では大腸ポリープにおける内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術を多く施行していますが、緊急な対応が必要な「救急疾患」に365日24時間迅速に対応できる体制が整っており、速やかな入院および手術を行っています。
緊急な対応が求められる急性胆のう炎、胆石症や消化管出血などに、内視鏡的胆道ステント留置術や腹腔鏡下胆のう摘出術や内視鏡的消化管止血術を多く行っています。結腸をはじめ悪性腫瘍に対しても、腹腔鏡下手術を積極的に行っています。
鼠径ヘルニア(脱腸)は病態に応じて、局所麻酔や腰椎麻酔で皮膚表面側から治療する術式や、全身麻酔で腹腔鏡を用いて体の内側から治療する術式を患者さんに応じて選択しています。
高齢者の担癌患者に対しても、個々に対応した治療を行っています。
各疾患に対する治療法は多様化してきており、患者さん一人一人の状態を十分に検討した上で、患者さんのQOL(生活の質)を重視し、適切な時期に適切な方法を選んで治療を行っています。
術前は歯科と連携をとり周術期口腔機能管理を行い、術後は早期からリハビリテーションを開始し、早期離床にとりくんでいます。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) etc. 69 4.77 37.26 36.23% 82.59
K0821 人工関節置換術(肩) etc. 34 1.81 47.44 6.25% 76.28
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単) 31 2.07 42.19 3.23% 68.26
K0811 人工骨頭挿入術(股) etc. 28 2.46 36.71 53.57% 85.32
K0462 骨折観血的手術(下腿) etc. 16 1.81 22.44 6.25% 71.69
令和3年度の手術は全体で335例で、主なものは、肩関節手術124例(内訳:肩関節鏡手術83例、人工肩関節置換術21例、肩関節骨折骨接合術20例)、大腿骨近位部骨折96例などです。地域の高齢化を反映し、肩甲骨、上腕骨、大腿骨などの骨折に対しての骨折観血的手術も多くなっています。
当科は四肢筋腱損傷、特に肩関節の腱板損傷や肩関節脱臼、スポーツ障害肩を専門としており、症状に応じた最小侵襲手術である関節鏡下肩腱板断裂手術や、人工骨頭挿入術、人工肩関節置換術、腱移行術、関節鏡下関節滑膜切除術などの直視下手術を積極的に行っています。
肩難治例に対して近年日本に導入されたリバース型人工肩関節置換術は、初期5年における術後成績が海外より良好であったことから、今後ますますの症例増加が予測されます。執刀には厳密な資格制度があるため、当科では積極的に難治例を受け入れ、患者さんのお役にたてればと考えています。
地域の医療機関、介護施設、福祉施設から、高齢者や合併症を併発してある方などの難治性症例をたくさんご紹介頂き、手術を行っています。
今後も地域医療の一翼を担う科でありつづけたいと思っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1742 水頭症手術(シャント手術) 80 1.91 14.85 8.75% 80.48
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 etc. 76 1.01 20.28 34.21% 82.11
K6101 動脈形成術、吻合術(頭蓋内動脈) 37 3.78 24.05 8.11% 70.14
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) 32 2.25 17.75 3.13% 63.56
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 29 3.69 16.03 34.48% 67.45
当科は、水頭症に対するシャント手術、慢性硬膜下血腫に対しての血腫穿孔洗浄術、未破裂脳動脈瘤に対する脳動脈瘤頸部クリッピング術などを中心に令和3年度は380例の手術を行っています。主な内訳は脳腫瘍切除術45例、脳動脈瘤頚部クリッピング術35例、脳血管吻合術及び内膜剥離術52例、慢性硬膜下血種を含む頭部外傷に対する血種除去術106例などです。
水頭症手術、慢性硬膜下血種穿孔洗浄術、動脈形成術・吻合術、脳動脈瘤頸部クリッピング術、頭蓋内腫瘍摘出術、頭蓋内微小血管減圧術、頭蓋内血種除去術、内頚動脈血栓内膜摘出術、経鼻的下垂体腫瘍摘出術など数多く専門性の高い手術を行っています。
その他、脊椎管狭窄症や脊椎不安定症などに対して脊椎固定術・椎弓形成術なども脳神経外科で手術を行っています。
手術は特別な急患手術を除いて完全無剃毛で行っており、充分な洗髪と消毒により感染やトラブルは皆無で、退院後すぐに社会復帰できるため非常に喜ばれています。
CT、MRI、MRA、3DCTA(CTを使った3次元血管造影)等の検査を行い、病院への搬入から1時間以内に開頭手術ができる体制を体制を整えています。
血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 81 0.95 13.12 14.81% 75.53
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 74 0.00 1.00 0.00% 64.78
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 23 1.78 7.13 4.35% 80.65
K6145 血管移植術、バイパス移植術(下腿、足部動脈) 12 2.58 40.25 25.00% 75.50
K084 四肢切断術(大腿) etc. 10 6.20 19.80 50.00% 84.60
当科は下肢の静脈瘤および閉塞性動脈疾患、腹部大動脈瘤の手術を専門に行っています。令和3年度の手術件数は414件です。
下肢の静脈瘤の手術は、下肢静脈瘤血管内焼灼術(レーザー治療)や伏在静脈抜去術(ストリッピング)がありますが、当院は、下肢静脈瘤血管内焼灼術(レーザー治療)を多く施行しています。令和3年3月より新たに下肢動脈瘤塞栓術(グルー治療)を開始しています。
閉塞性動脈硬化症に対する経皮的血管形成術、バイパス術などの血行再建術を専門に対応しています。
そのほか、腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術、四肢切断術(大腿、下肢、足、手指、足指)などを行っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 84 0.17 1.18 0.00% 74.94
K279 硝子体切除術 - - - - -
K2821イ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(縫着レンズ挿入) - - - - -
K2822 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない) - - - - -
月曜日の午後と火曜日の午前に手術を行っています。
当科は、白内障手術が主で、高齢者が多く、片眼1泊2日を入院を基本としていますが、外来手術(日帰り手術)も行っています。
令和3年度の手術件数は全体で252例です。そのうち白内障の手術はは147例です。
そのほか、加齢黄斑変性などに対する硝子体注射を101例行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 44 1.21 5.61 2.27% 75.34
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 41 1.25 5.21 0.00% 65.83
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ホルミウムレーザー等使用) 28 2.43 6.61 3.57% 74.68
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 15 1.07 10.27 13.33% 66.53
K773 腎(尿管)悪性腫瘍手術 - - - - -
令和3年度は前年度と大きな変化はなく、全体で175例でした。
悪性腫瘍の手術では、膀胱悪性腫瘍手術例が多く、腎(尿管)悪性腫瘍手術などが増加しています。
尿路結石に対しては、経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの)、体外衝撃波・尿管結石破砕術、経尿道的膀胱結石摘出術などを行っていますが、その中で、最近では、経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの)が、治療の中心となってきました。
令和2年度に経尿道的尿路結石術のレーザー装置が新型の装置に交換されました。
体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(K768)は基本的に外来で行っています。延べ68例(内、初回28例)に施行しています。
前立腺肥大症の手術においては、TURP(高周波電流使用)に代わり、CVP(レーザーを用いた蒸散手術)が本格的に稼働となりました。
本手術の最大の利点は出血が少なく、手術が安全に実施できることにあります。術後の一過性の尿閉が一部の症例に発生することは、従来のTURPに比べ欠点ではありますが、超高齢者の手術も増加した今日においては、術中に出血がないこと、術後の後出血がないことは、患者さんのストレスを減らしてくれます。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 16 0.36%
180010 敗血症 同一 - 0.14%
異なる 19 0.43%
180035 その他の真菌感染症 同一 - 0.02%
異なる - 0.07%
180040 手術・処置等の合併症 同一 49 1.11%
異なる - 0.07%
※入院の契機となった傷病名と医療資源を最も投入した傷病名の「同一性」の有無を区別して、4疾患について、各症例数と発生率を掲載しています。
※「同一」は入院時にすでに発症・判明していること、「異なる」は入院後に発症・判明したことを意味します。
※症例数が10未満の場合は、(ー)ハイフンで掲載しています。

当院は、高齢者の急性期の救急搬送を多く受け入れており、各種検査後に播種性血管内凝固症候群や敗血症、真菌感染症などが判明することが多くあります。
また、急性期病院では一定程度の割合で、播種性血管内凝固症候群や敗血症、真菌感染症などは発生し得るものですが、患者さん個々人に最適な治療を行っています。
播種性血管内凝固症候群、敗血症、真菌感染症などの重篤な疾患はハイケアユニット(HCU)等で受け入れて集中的な管理をしており、地域医療の中核病院としての役割をはたしています。
手術・処置等の合併症は、透析導入のシャント術後の狭窄や閉塞した場合などが挙げられます。
一定頻度の発生はありますが、平均的と考えられ、患者さん個々人に最適な治療を行っています。
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