社会福祉法人恩賜財団済生会支部 福岡県済生会八幡総合病院[福岡県北九州市八幡西区大字則松275番地]

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血管外科

腹部大動脈瘤に対する腹部ステントグラフト(AORFIX)内挿術後の瘤径変化に関する因 子の検討

1.臨床研究について

九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院消化器・総合外科では現在、腹部大動脈瘤、腸骨動脈瘤の患者さんを対象として、「腹部大動脈瘤に対する腹部ステントグラフト(AORFIX)内挿術後の瘤径変化に関する因子の検討」という「臨床研究」を行っています。
今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。この研究が許可されている期間は、令和8年3月31日までです。

2.研究の目的や意義について

腹部大動脈瘤とは、動脈の壁がもろくなって動脈が膨らんだ状態となる病気です。動脈が膨らんで瘤になると破裂することがあり、お腹の中に大出血を来たし命に係わる危険性があります。
治療法には開腹による人工血管置換術とステントグラフト内挿術の二つの方法があります。
開腹による人工血管置換術は身体に対する負担が大きく、近年、負担の少ないステントグラフトによるカテーテルの治療が普及してきました。
しかし、ステントグラフトの欠点として、治療を行っても瘤が小さくならなかったり、瘤への血流の漏れが生じてきて再治療が必要となったりすることがあります。
現在、日本では 5 種類の企業性ステントグラフトが使用可能ですが、どの機種が優れているかについては分かっていません。本研究ではAORFIXという機種の治療成績について検討します。
機種別の治療成績を明らかにすることで、腹部大動脈瘤に対するステントグラフトの治療成績の向上を目指します。

3.研究の対象者について

 九州大学病院血管外科及び関連 4 施設(松山赤十字病院血管外科、別府医療センター血管外科、九州中央病院血管外科、済生会八幡総合病院血管外科)にて2014年1月1日から2021 年3月31日までに腹部大動脈瘤に対してAORFIXによるステントグラフト治療を受けられた計90名を対象にします。
 九州大学病院血管外科では12名を対象とします。
 また2007 年1月1日から2021年3月31日の期間にAORFIX以外の機種(Zenith、Excluder、Powerlink/AFX、Endurant)で治療を受けられた計841名(九州大学では266名)を対象としてAORFIXとの治療成績について比較します。
 研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、事務局までご連絡ください。

4.研究の方法について

この研究を行う際は、カルテより以下の情報を取得します。また、取得した情報を分析し、腹部大動脈瘤に対するステントグラフト(AORFIX)の治療成績を明らかにします。
〔取得する情報〕
① 年齢、性別、身長、体重、BMI、ADL、併存疾患(高血圧、糖尿病、脂質異常症、虚血性心疾患、脳血管障害、腎機能障害、透析)、喫煙歴、内服薬
② CT画像所見(術前瘤径、腹部大動脈瘤の解剖学的特徴、腰動脈開存本数、下腸間膜動脈開存の有無と径、壁在血栓の有無、術後瘤径とエンドリークの有無)
③ 採血データ(治療前のクレアチニン値、eGFR)
④ 治療(術式、治療日、入院日、退院日、合併症の有無、合併症の詳細)
⑤ 治療後の予後(予後確認日、生存の有無、死因、追加治療の有無) 共同研究機関の研究対象者(松山赤十字病院血管外科、別府医療センター血管外科、九州中央病院血管外科、済生会八幡総合病院血管外科)の該当患者さんについても、メールにて情報収集し、詳しい解析を行う予定です。

5.個人情報の取扱いについて

研究対象者のカルテの情報をこの研究に使用する際には、研究対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。研究対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学大学院医学研究院消化器・総合外科学分野内のインターネットに接続できないパソコンに保存します。
このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
この研究によって取得した情報は、九州大学大学院医学研究院消化器・総合外科学分野・教授・吉住朋晴の責任の下、厳重な管理を行います。
ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

6.資料や情報の保管等について

〔情報について〕
この研究において得られた研究対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学大学院医学研究院消化器・総合外科学分野・教授・吉住朋晴の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。
また、この研究で得られた研究対象者の試料や情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。
そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。
その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。

7.利益相反について

九州大学では、よりよい医療を社会に提供するために積極的に臨床研究を推進しています。
そのための資金は公的資金以外に、企業や財団からの寄付や契約でまかなわれることもあります。
医学研究の発展のために企業等との連携は必要不可欠なものとなっており、国や大学も健全な産学連携を推奨しています。
一方で、産学連携を進めた場合、患者さんの利益と研究者や企業等の利益が相反(利益相反)しているのではないかという疑問が生じる事があります。
そのような問題に対して九州大学では「九州大学利益相反マネジメント要項」及び「医系地区部局における臨床研究に係る利益相反マネジメント要項」を定めています。本研究はこれらの要項に基づいて実施されます。
本研究に関する必要な経費は第二外科部局等運営費であり、研究遂行にあたって特別な利益相反状態にはありません。
利益相反についてもっと詳しくお知りになりたい方は、下記の窓口へお問い合わせください。
利益相反マネジメント委員会
(窓口:九州大学病院ARO次世代医療センター 電話:092-642-5082)

8.研究に関する情報や個人情報の開示について

この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。
資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

9.研究の実施体制について

この研究は以下の体制で実施します。

研究実施場所   九州大学大学院医学研究院消化器・総合外科学分野
(分野名等)   九州大学病院血管外科
研究責任者    九州大学病院血管外科 講師 古山 正
研究分担者 九州大学病院血管外科 助教 森﨑 浩一
九州大学病院血管外科 医員 松原 裕

共同研究施設 及び 資料・情報の提供のみ行う施設
施設名 / 研究責任者の職名・氏名
①松山赤十字病院 血管外科 部長 山岡 輝年
②別府医療センター 血管外科 部長 久米 正純
③九州中央病院 血管外科 医長 岩佐 憲臣
④済生会八幡総合病院 血管外科 主任部長 郡谷 篤史

10.相談窓口について

この研究に関してご質問や相談等ある場合は、事務局までご連絡ください。
事務局
(相談窓口)
担当者:九州大学病院血管外科 助教 森﨑 浩一
連絡先:〔TEL〕092-642-5466(内線2900)
〔FAX〕092-642-5482
メールアドレス:morisaki@surg2.med.kyushu-u.ac.jp

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